元素合成のゆりかごを生み出す中性子星の性質から合成プロセスまでを、核物質の状態方程式を通して統一的に理解することを目指す。状態方程式へのアプローチとして中性子過剰な原子核の中性子スキン厚に着目する。多くの理論模型は鉛原子核に対して薄いスキン厚を予測しているが、パリティ非保存電子散乱は厚い値を報告している。この矛盾を解決するために、陽子と中性子分布の半径を独立に決定することが必要である。そこで、九州大学FFA加速器からの100 MeV 級陽子ビームと中性子ビーム生成システムで原子核の陽子と中性子分布を独立かつ系統的に測定する実験を遂行し、状態方程式の高精度化を通して統一理解の確立を目指す。