肺動脈性肺高血圧症は末梢の肺動脈が狭小化することで肺血管抵抗・圧が上昇し、それに伴い右心不全が進行する致死的疾患である。主な病態は肺血管の平滑筋・内皮細胞の異常増殖だが、これに対する治療戦略は未開発である。 ナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬は心臓リモデリング抑制効果を有する可能性があり、このことが心不全予後改善に関与していると考えられる。しかし肺動脈性高血圧症の血管リモデリングにおいてはSGLT2阻害薬の治療効果は不明である。本申請研究では、肺動脈性肺高血圧症ラットモデルを用いSGLT2阻害薬の治療効果を血行動態、肺血管リモデリング病変について検証し新規治療法の開発を目指す。