約1000台のコンピュータを3日間稼働させ続けることで、Google社の人工知能は猫の画像を認識できるようになった。しかしネズミは、イエネコが誕生する1万年前よりももっと古い時代からネコ目動物を危険な捕食者として認識してきた。このように生物が長い年月をかけて発達させてきた高度な知性の一つとして「記憶の汎化」があげられるが、その神経メカニズムは謎のままである。そこで本研究では、マウス海馬領域に存在する特定の記憶情報を保持する細胞(エングラム細胞)に神経入力する抑制性細胞を標識し、その神経活動のモニターと活動操作を実施することで、記憶の汎化を制御する神経メカニズムの解明を目指す。