本研究では酸素の一時的放出が可能なハイドロゲルを新たに調製し、ボトムアップ法を利用した培養組織体形成プロセスへと応用することにより血管化培養組織の構築を目指す。 まず、ハイドロゲルと細胞からなる、一単位で生存可能な大きさのスフェロイドを作製する。このスフェロイドをビルディングブロックと見立て、積み上げることによって自己組織化を誘導する。この際、スフェロイド表層に内皮細胞を配置するとともに、血管新生促進因子の固定化を行う。この結果、毛細血管網構築の促進とその間の細胞への酸素供給を同時に実現する。 本研究は培養組織体構築法の新たな展開を提供する挑戦的研究である。