本研究は、自治体の人材採用政策を、「試験方式」「広報・募集の仕方」「選考スケジュールの設定」など複数の要素から構成される「戦略」として把握し、その形成過程を分析することを通じて、自治体の採用政策の実態と多様性を明らかにする。第1に、先行研究や調査データの分析を通じて、自治体の採用政策にはいかなる「戦略」が存在しているのかを明らかにする。第2に、複数の自治体の事例研究を通じて、自治体の採用政策の形成過程を分析する。具体的には、採用制度の改革がなぜアジェンダとして浮上したのか、採用をめぐる「戦略」がどのように形成されたのか、それがいかなる政策過程を経て制度化されたのかなどを明らかにする。