国民病である慢性疼痛において、多彩で執拗な患者の心身の訴えに困惑した医療職の態度から、患者に形成された医療不信が、介入の阻害要因になっている。医療職を警戒し治療の提案を受け入れない患者層にまで、心理的介入(認知行動療法)を広げるために、医療不信という問題に取り組む。 本研究では、慢性疼痛の医療不信をより明確に捉え、解消するために、(1) 慢性疼痛患者における医療不信のテーマを特定し、アセスメント法を確立する。(2) 3ヶ月の縦断調査で医療不信の治療アウトカム(生活障害)への影響を明らかにする。さらに(3)医療不信が強い患者で医療不信解消の介入研究を行い、医療不信解消療法のマニュアル作成を目指す。