アトピー性皮膚炎(AD)は皮膚のバリア機能障害・type2炎症・かゆみが複雑に絡み合って病態が形成される。本症では様々な薬剤に対する治療効果は患者ごとに異なり、さらなる新規薬剤の開発が望まれる。我々はこれまで、ADの病態への関与における重要なシグナル経路として、MAPK経路が関与することを示すデータを得ている。そこで本研究の目的は、ADにおけるバリア機能障害・type2炎症・かゆみへの各MAPK経路(p38MAPK, ERK, JNK経路)の関与を解析し、臨床経過や病型との相関や、それらの阻害剤のADへの治療効果を明らかにすることで、治療基盤を確立することを目的とする。