熱計測型の放射線検出器であるマイクロカロリメータは、電荷計測型より1桁から2桁優れたエネルギー分解能を持つことから、可視光から数百keV程度のガンマ線までの幅広い領域で開発が進んでいる。本課題ではより高エネルギーの数百keVから数MeVのガンマ線を対象としたマイクロカロリメータを開発する。この帯域で十分な検出効率を得るために必要なガンマ線吸収体のサイズでは、ガンマ線が吸収された場所から温度計まで熱が伝わるのにかかる時間が距離に依存するため、信号パルス波形のばらつきが無視できなくなることによりエネルギー分解能が悪化する。本課題では位置検出型のマイクロカロリメータの開発によりこの問題を解決する。