本研究では「人体呼吸域内の不均一・非定常二酸化炭素濃度場の定量的理解と室内環境設計の高度化」と題して,呼気と吸気を繰り返す非定常呼吸に伴い人体呼吸器系に出入りする二酸化炭素に着目し,呼吸域周辺に形成される非定常・不均一な二酸化炭素濃度場を高い精度で定量的に予測・評価可能な数値解析モデルを開発する.その上,在室者が実際に呼吸する,もしくは呼出する二酸化炭素濃度の実態を定量的に検討すると共に,本数値解析モデルを基盤とする空調制御シミュレーションにより呼吸域内の二酸化炭素の挙動や吸入リスクに関する基礎データを構築し,在室者の二酸化炭素吸入リスクの低減に主眼を置いた新たな室内環境設計技術を提案する.