本研究では、多数のバルク熱電材料の集合体で構成される従来型の熱電発電π型モジュールに代わる、熱電発電素子を熱勾配と垂直方向に薄膜化・積層化することにより体積圧縮した新規発電モジュール構造を提案する。この薄膜積層モデルの特徴は、熱勾配と垂直方向、且つ、薄膜の面直方向に電力を取り出す点にある。n型,p型-Siによる積層構造をスパッタリング法により作製し、温度勾配付与時の発電特性を調査する。また積層構造内における局所領域の電位分布をケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)により観察し、有限要素法による電位分布シミュレーションと合わせて発電状況の解析と適切な構造設計について検討を行う。