我々の研究により骨格筋に存在するヘパラン硫酸が減少すると、筋分化が障害され、骨格筋量が減少し、運動機能が低下することが明らかとなった。従って、骨格筋でヘパラン硫酸を増加させれば、筋分化能が促進され、骨格筋量の増加と運動機能の改善が得られる可能性が考えられた。そこで本研究では骨格筋特異的にヘパラン硫酸を増加させたマウスの表現型解析を行い、ヘパラン硫酸増加による運動機能改善効果を検証する。またヘパラン硫酸代謝酵素の阻害剤探索研究を行い、ヘパラン硫酸を増加させる化合物を得る。これらの研究成果は、骨格筋量が減少するサルコペニアや様々な筋疾患における病態解明や創薬へとつながるものと期待している。