ソフトエラーとは電子機器が放射線に曝された際に生じる一過性の誤動作のことである。 宇宙からは絶え間なく宇宙線という放射線の一種が降り注いでいるが、近年の半導体デバイスの微細化によって、宇宙線に含まれるミュオンを原因とするソフトエラーの発生が懸念されている。しかし、その発生率の評価に不可欠な低速宇宙線ミュオン流束の実測データは乏しいのが現状である。本研究では、チェレンコフ検出器を用いて低速宇宙線ミュオン識別・エネルギー測定システムを開発し、計算機や電子機器が設置される実環境における低速宇宙線ミュオン流束の高精度測定を実現する。