CKD患者は尿毒症物質の生体内蓄積によって様々な疾患を合併するが、最も死亡率が高い疾患が心不全である。これに関して申請者は、尿毒症物質の1つであるレチノールが単球の炎症活性を上昇させ、心不全を増悪させることを解明した。更にその後の検討で、CKDによる単球の炎症活性はレチノールの血中濃度よりも細胞内濃度と強い相関を示すという結果が得られた。このことから本研究では、尿毒症物質の細胞内濃度および膜輸送体の活性こそが病態を反映しているのではないか、と仮説を立て、CKDマウスの単球における膜輸送体の探索・機能解析を行い、CKD時の炎症活性・心疾患と強い相関を示す「真の尿毒症物質」の同定を行うこととした。