がん細胞が産生するサイトカイン・ケモカイン・増殖因子は全身を隈なくめぐり、様々な臓器・組織に作用する。本研究で我々は、がん由来の分子が脳と相互作用する「場」として、オリゴデンドロサイトを定義し、その機能デコーディングに取り組み、がんによる認知機能障害が起こるメカニズムを明らかにすることを目指す。また、がん由来分子の解析と認知機能の行動学的解析に、ダブルパッチクランプを用いたオリゴデンドロサイト機能のデコーディングを組み合わせて、脳・身体相互作用の機序にアプローチする。これらから、身体のがんと脳のグリアの連関をターゲットにした新たな研究フィールドを創造する。