「改葬」(いったん埋葬した遺体を後に掘り起こすこと:土井・佐藤1979)行為は世界各地において様々な事例が報告されている。本研究では、これまで正確な古人骨の出土状況の読み取りが行われていない日本列島古墳時代の改葬行為について、埋葬施設等の墓地分析及び人骨の出土状況・人骨所見から改葬行為を抽出・評価する。加えて、改葬のみを扱うのではなく、殯・断体儀礼など人骨の出土状況を含む考古学的情報から明らかにしうる葬送儀礼全体における位置づけを明らかにすることで、葬送儀礼及び改葬行為の時間的・空間的変容と列島国家形成期前段階の社会におけるその意味を明らかにする。