小児がん治療により歯根の短根化が生じることが知られている。歯根象牙質形成に中心的な働きを担う歯根端歯乳頭幹細胞に対する放射線障害について、本研究では、放射線照射によるにおける歯根端歯乳頭幹細胞の特性変化のメカニズムを分子生物学的に解明することを目的とする。 歯髄幹細胞などの間葉系幹細胞とは異なり、歯根端歯乳頭幹細胞ではCD24という細胞表面抗原が特異的に発現している。放射線照射による歯根端歯乳頭幹細胞におけるCD24を介した機能変化について、①象牙質形成能、②細胞周期に着目した研究を遂行し、放射線障害を受けた歯根端歯乳頭幹細胞が原因で、歯根の短根化が生じる分子メカニズムを明らかにする。