文学の意義を論じる際、共感的想像力の醸成という教育的意義が挙げられるが、本研究では文学における「共感」と共感に基づく社会改革との関係性、そして、その可能性と限界について、19世紀中期から後期に活躍した二人の作家、チャールズ・ディケンズ(1812-70)とジョージ・ギッシング(1857-1903)を中心に解明していく。これまでの共感に関する小説研究では、小説が共感を生み出すメカニズムが注目されてきたが、本研究では、作家の実生活における社会改革の試みや、当時の社会改革運動における共感の役割も併せて検証することにより、文学と社会の相互作用を明らかにしていく。