高温超伝導テープ線材は定常高磁界の発生や交流モーター等への応用が期待されている。しかしながら、幅広のテープ形状に起因して、コイルによる磁場発生時に超伝導テープ面内に大きな遮蔽電流が誘起される。遮蔽電流の挙動は、線材の電流輸送特性:電界―電流密度(E-J)特性に帰結されるが、運転時の線材に誘起される電界は10-12 ~ 10-2 V/mと10桁に亘るほど広く、温度や磁界、更に磁界の印加角度なども大きく異なることから、線材の輸送可能な電流密度が複雑に変化する。本研究では、実用環境下の特性を計測すると共に、物理モデルを導入した深層学習によってE-J特性の高精度なモデリングを実現しようとするものである。