日本の刑事政策は「再犯防止」が焦眉の課題で、今後の刑事施設は受刑者を収容して刑の執行を行うだけでなく、多様で柔軟な処遇や社会的包摂により受刑者が早期に社会復帰できるような機能が求められる。 本研究は、刑事施設の閉鎖性や密閉性を改善し受刑者の早期の社会復帰を目指すために「コミュニティ・プリズン」理念に着目し、制度・空間・社会プログラム等の分析と評価を通して再検証し、建築計画学の立場からその課題と新たな刑事施設の実現可能性について検討する。 マクロ+ミクロなアプローチにより実態と構造にせまり、新たな刑事施設のマスタープランを検討することは多様な人々が相互扶助的に共生することに繋がると考えられる。