動脈硬化、心臓弁膜症といった循環器疾患の多くが加齢に伴い発症リスクが高まる老化関連疾患であり、経年による心臓への負荷の蓄積が心臓リモデリングを経て心不全を導く。心臓を構成する心筋細胞、線維芽細胞、および血管内皮細胞の細胞老化は心不全の病態基盤形成に関与すると考えられているが、心不全発症に至る分子機序は不明な点が多い。申請者は、予備的な解析からユビキチン転移酵素CNOT4が心臓老化を抑制する可能性を見出しており、本研究は哺乳類組織や細胞におけるCNOT4の翻訳制御を介した分子機序を明らかにすることで、心臓老化に起因する疾患予防・治療法を開発するための重要な基礎研究になると期待している。