近年、創業初期から積極的に海外市場に進出する早期国際化企業と呼ばれる企業が世界的に観察されるようになった。国際経営論の研究領域において、その新奇的な国際化パターンが高い関心を集めているものの、その研究の多くは創業初期の海外市場進出に焦点が当てられており、早期国際化企業が通時的に①どのようなスピードで国際化プロセスを展開するのかという国際化スピードの問題、②どのような国や地域に進出していくのかという立地選択の問題については未だ十分な研究成果が蓄積されていない。本研究は、国際化スピードや立地選択に着目しながら早期国際化企業の国際化プロセスを理論的、実証的に解明することを企図する。