バイオ医薬品の代替品としての合成高分子は、分子量やモノマー配列が不均一のため機能や副作用の懸念から実用化されていない。そこで本研究では、分子量や配列が完全に均一な合成高分子(精密高分子)を合成する技術を開発する。近年、制御重合や分離技術の発展により、分子量や配列が均一な精密オリゴマーが報告された。しかし、その分子量は中分子領域が限界であり、バイオ医薬品のように高分子量を活かした多点の強い相互作用が再現できない。申請者は、様々な官能基を有するポリマーをナノ材料へ連結する技術をもつため、「オリゴマー同士を自在に連結することで」標的を多点で認識する巨大な精密高分子の実現を目指す。