近年、人々の健康やウェルビーイングを実現するための重要な要素として民俗スポーツを通じた社会的つながりの形成が指摘される。本研究は、沖縄の民俗スポーツ文化に着目し、人類学的視点から次のことを明らかにしていく:①どのような民俗スポーツが社会的つながりを形成するのか、②それはどのような要因によって可能か、③近代スポーツとはどのような点で共通性や差異があるか。近代スポーツとは異なる民俗スポーツを通じた社会的つながりの形成とその可能性を検討し、今後のスポーツ政策に正確かつ有用な人類学的知見を提供すると共に、スポーツと社会的つながりに関する国際的な議論の場においても先駆的な研究結果を提示することを目指す。