熱電材料は材料内の温度差から直接電気エネルギーを得られるため実装の多様性に優れており,廃熱回収を始めとしてウェアラブル端末,無電源センサーなど広範な技術での適用が期待されている. 本研究の目的は,環境中に排出される膨大な量の未利用熱を最大限に活用できる環境調和性が高い熱電材料の創製である.高圧ひずみを材料に付与することで,通常の安定相とは異なるユニークな物性を有する準安定相を生成し,この準安定相と既存の物性制御手法であるナノ構造化や合金化を組み合わせることで,熱電性能の飛躍的な向上を目指す.