Gタンパク共役受容体(GPCR)を介したシグナル伝達経路は癌の進展に深く関与しており、治療標的としても注目されてきた。細胞接着型GPCR(adhesion GPCR, aGPCR)は、様々な機能ドメインを有する細胞外領域とGPCRに共通な細胞膜7回貫通型ドメインからなるユニークな分子で、卵巣癌の進展に関与していることが示唆されている。本研究の目的は、GPCRシグナルの解析に特化した様々な分子生物学的手法を用いて、aGPCRが制御するシグナル伝達経路やその活性化機構を明らかにすること、卵巣癌の進展における役割を解析し新たな治療標的を同定することである