本研究は、1980年代を主な起点とし、現在までに世に送り出されてきた欧米圏の「被爆証言記録文学」におけるヒロシマ・ナガサキ表象の再評価を図る。具体的には、ヒロシマ・ナガサキの体験者が不在となりゆく今後の核表象の場において、この出来事を、目撃者/当事者/体験者ではない者が描くことの可能性について、文学批評の立場から一定の解答を得ることが、本研究の目指すことを最終的な目的としている。