高分子材料にフィラーを添加することで発現する補強効果は古くから知られており、高分子マトリクス/フィラー界面における構造・物性と密接に相関する。しかしながら、材料内部に埋もれた界面の選択的評価が困難であり、補強効果に関する統一的理解と制御には及んでいない。本申請では、従来、間接的に評価されてきた材料中の界面に対し、界面選択的分析手法である非線形光学分光法を適用し、界面の情報を直接取得することで、複合材料内部の界面における高分子の凝集状態・ダイナミクスの本質的理解に取り組む。得られた知見を、マクロな構造・力学特性と統合し、ナノスケール界面の観点からマクロな材料特性の理解と制御へ展開する。