本研究の概要は、太陽系初期の固体物質が太陽系星雲内で経験した銀河宇宙線照射の履歴を復元し、中心星や円盤赤道面に移動する時間およびそれらの期間内での粒子サイズの変化を推定することである。そのために、始原的隕石のマトリックス物質に対して局所貴ガス分析を行い、宇宙線照射によって生成したヘリウム及びネオンの精密同位体測定を行う。同時に、主要元素組成も測定することで、これまで不可能であった年代計算や物質進化の情報を得る。これらの結果をもとに、星雲物質の時空間分布と衝突成長・破壊に伴うサイズ進化を明らかにする研究である。