海洋軟体動物アメフラシ(Aplysia kurodai)より単離されたアプリシアセコステロールAは、HL-60細胞に対して細胞毒性を示すことが知られている。この化合物の全合成は達成されてはいるものの、活性発現に重要な部分構造や作用機序、分子標的等の詳細が明らかとなっていない。本研究では、構造活性相関研究へと展開可能な合成経路の確立を最初に行う。続いて、確立した合成経路を用いて、種々の人工類縁体を合成し、構造活性相関研究へと展開する予定である。さらに、活性発現に重要な部分構造を明らかにした後は、アプリシアセコステロールAの分子プローブを設計・合成し、分子標的の同定を行う予定である。