細胞内は、分子クラウディング状態とよばれる高分子が300-400 mg/mLという高濃度で存在する状態にあり、タンパク質間やタンパク質・DNA間での相互作用における熱力学的状態や反応速度は、希薄溶液であるin vitroにおける状態とは大きく異なることが知られている。本研究では、細胞が細胞核よりも狭い数μmの間隙を移動中、細胞核膜が破裂して細胞核内包物が細胞質に放出される現象を利用して、細胞核内と細胞質内の分子夾雑環境の差異を定量的に評価する方法・デバイスを構築する。