金属イオン(主にZn2+とFe2+)透過性をもつTRPC6チャネルがβAR刺激による心臓の収縮力増加(陽性変力作用)に寄与することを発見した。本研究では、①TRPC6チャネルのZn2+透過性に関わるアミノ酸部位を特定し、TRPC6チャネルを介する局所Zn2+流入がβAR-Gsタンパク質共役を増強させ、心臓の交感神経刺激応答を増強させること、②βAR-Gsタンパク質共役におけるZn2+依存的増強機構を構造生化学的に解明することを目的とする。本研究により、受容体-Gタンパク質共役の強度調節におけるZn2+の役割解明と、局所Zn2+供給源としてのTRPC6チャネルの新たな役割解明が期待できる。