物上保証は、保証人と債権者が保証契約を締結した場合と機能的に類似する。しかし、伝統的には、法技術上の相違を理由に、保証契約に関する様々な規律について、物上保証への適用可能性は検討されてこなかった。 そこで、本研究は、この問題についてすでに一定の議論の蓄積があるフランス法を参照することで、物上保証が保証契約と機能上共通する点と、法技術上相違する点とが、保証契約に関する規律の物上保証への適合性の有無に作用しているかを明らかにし、これにより、物上保証についての規律の在り方を、解釈論的・立法論的に提示する。