漢方薬を西洋薬のように多剤併用すると、意図せず同一あるいは類似の生薬が重複してしまう可能性がある。昨今の漢方薬の使用増加により、このような多剤併用による副作用等の発生、すなわち「漢方薬のポリファーマシー」が懸念されている。 そこで、本研究では大規模なリアルワールドデータである電子カルテデータを用いて、漢方薬の多剤併用が、代表的な副作用である①間質性肺炎、②薬物性肝障害、③偽アルドステロン症の3つの疾患の発症リスクに関連しているかを明らかにする。 本研究により今後ますます増加が見込まれる漢方薬の多剤併用やそれに伴うポリファーマシーについての基礎的なエビデンスを創出し、その適正使用に貢献する。