植物の3次元的な形態は機能や適応度に結びつく重要な形質であるため,植物体の3次元形態の定量化や機能性評価は幅広い分野において重要な課題の一つといえる.植物個体の3次元形態は複数の器官が空間的周期性をもちつつ階層的に組み合わさった複雑な形質であり,そのフェノーム(表現型の総体)を過不足なく得ることは難しい.本研究では,器官形態計測手法の開発と階層性をつなぐ数理モデルの提案を通し,植物器官の3次元空間における植物個体の「かたち」の多様性の統合的理解を目指す.