癌の治療において、腫瘍を取り除いたとしても、癌細胞が残存していた場合、癌の再発や、他部位への転移が生じる可能性がある。癌が除去困難な部位に転移すれば、患者の生命及び生活に重大な影響をもたらす。本研究は、癌細胞のみに選択的に感染するウイルスベクターを用いて、癌細胞の栄養の取り込みを阻害し、恒久的に癌細胞の生命活動を低下させることを目指す。加えて、あえて癌細胞を殺さないことによって、癌細胞から効率的に別の癌細胞にウイルスを感染させる。これにより、癌の進行を恒久的に遅延することを目指す。本研究が達成できれば、既存のあらゆる治療法と併用し、癌の治療効果、及び健康余命を飛躍的に改善できると期待できる。