アルツハイマー型認知症(AD)の発症・進行には性差があり、女性に多い。AD 発症には、ミクログリアの異常活性化とそれに伴う神経炎症が重要である。ミクログリアの特性にも性差があり、これがAD発症における性差の一因である可能性がある。しかし、その生命科学的な分子基盤は未だ明らかにされていない。GPRC6Aは、テストステロンの細胞膜受容体として機能することが解明され、従来のステロイドホルモン受容体を介した細胞内情報伝達とは異なる新しい細胞制御機構を提案できると考えられる。本研究では、ミクログリアおいて、テストステロン-GPRC6AシグナルがAD発症・進行の性差を規定する一因となることを明らかにする。