膵癌は予後不良な疾患であり、その原因として膵癌に特徴的な周囲微小環境との癌間質相互作用が挙げられ、近年では腸内細菌や腫瘍内細菌との関連も報告されている。また膵癌は多様な体細胞遺伝子変異(KRAS、TP53など)を特徴とするがこれらをターゲットとした有効な治療法は存在せず、宿主の遺伝子変異と癌関連Microbiomeとの関係は不明である。本研究では、膵癌周囲の微小環境との癌間質相互作用に加えて、NGSを用いて膵癌組織の体細胞変異など後天的な遺伝子変異を解析することにより、これら遺伝子変異と膵癌の発癌や遠隔転移に促進的・抑制的に関わる腸内細菌や腫瘍内のMicrobiomeとの関連を明らかにする。