近年,細胞は3次元地形を感知して行動することが生物工学的技術により明らかになってきている.一方,多細胞生物においては細胞は地形を感知するだけでなく自らその地形に影響を与え,結果として機能的な組織構造を作り出す.本研究では,細胞と3次元地形の相互作用が想定される生命現象に着目し,数理モデルの構築とジオラマ3次元地形を用いた新規実験系の開発を行う.これにより,細胞の原生知能によって実現される細胞-3次元地形間の相互作用を明らかにし,それによって形成される組織構造の生理的意義に迫る.