本研究では、新材料の素材として、① 活性と選択性の両面で非常に高性能な化学反応を促進し、現代の化学合成においても活用されている「酵素」、ならびに ② 内部に nm オーダーの空間を有する中空の金属錯体分子である「金属有機多面体(MOP)分子」に着目した。 本課題では、イオン性 MOP 分子を「中空スペーサー」として酵素と複合化することで、多孔性配位高分子などの多孔質固体を用いた従来の酵素複合体の抱える合成条件やサイズ制限などの問題を解決する。イオン性 MOP 分子の空間、化学的性質、イオン性相互作用を利用して酵素を安定化し、MOP-酵素複合体を基盤とする高機能な生体複合システムの創製を目指す。