刺胞動物ヒドロ虫綱クダクラゲ目では、形態と機能が分化した個虫が適材適所に配置されることで、ひとつの個体のように振舞う「群体」が作られる。群体全体が個体のように振る舞うためには個虫を適所に配置する仕組みは必須となるが、その仕組みは未だ謎に包まれている。これまでの解析により、クダクラゲの個虫出芽領域では、発生ツールキット遺伝子が特異的に発現することを見出している。そこで本研究では、これらの発生ツールキット遺伝子の詳細な発現局在を調べるとともに、遺伝子機能解析を試み、個虫が出芽する位置や個虫の形態への影響を評価することによって、クダクラゲの群体における「適材適所を実現する仕組み」の解明を目指す。