特発性大腿骨頭壊死症 (ONFH)は大腿骨頭内に骨壊死が発生し、壊死骨梁が添加骨形成によって修復され肥厚骨梁となり、X線やCT画像で壊死域と健常域の間の境界域における骨硬化像として次第に同定される。この期間は無症状であるが、ひとたび圧潰が発生すると激烈な疼痛を発症し股関節機能の荒廃に至る。 申請者は未圧潰ONFHにおいて骨硬化性修復反応を伴う壊死境界域に応力が集中することで、圧潰が発生することを報告したが、根幹となる骨硬化性修復反応が生じる機序は不明である。 本研究ではONFHにおける骨硬化性修復反応の起点としてマクロファージを中心とする細胞間ネットワークが重要な役割を担うという仮説を検証する。