昨今のゲノムデータの蓄積にともない適応検出事例の報告は行われている。しかし個別の候補領域のリストアップにとどまっているケースがほとんどであり、適応メカニズム全貌の理解に至っているとまでは言えない。本研究はこのような現状に対し、ゲノム多様性データの解析を通じて、適応の有無ならびに適応過程の詳細に関する情報を抽出することを目指す。個別適応候補領域の検出に留まっている現状に対し、適応過程の詳細まで網羅的に議論する方法を提供し、現在の生命システムを作り上げてきたメカニズムの理解を深めることを目的とする。