近年、様々な生命現象に性の影響が見出され、性の成立機構の理解が重要な研究課題と位置付けられている。従来、精巣と卵巣から放出される性ホルモンが全身の器官に直接作用することで個体の性が確立すると理解されてきたが、その作用機序には不明な点が残る。最近の申請者の研究成果は、性ホルモンは副腎におけるグルココルチコイドの産生制御を通じて、骨格筋の形態・性質に性差をもたらすことを示唆した。本研究では、男性ホルモンが副腎における転写因子Ad4BPの発現抑制を通じてグルココルチコイドの産生および血中への放出を抑制すること、そしてその結果骨格筋のオス化を誘導すること示す。