本研究の目的は生体股関節および人工股関節の3次元動態を高精度で再現・可視化し、股関節障害に直結する関節動態を明らかにすることである。さらに、その動作時における股関節応力分布を定量化し、生体力学環境を解明することを目指す。これまでの病態研究は形態研究が中心であり、動態解析・力学的解析と股関節形態を有機的に結びつけた研究は少ない。本研究では、イメージマッチング法を用いて股関節動態を高精度に解析することが特色である。また、動態解析に留まらず、その解析で明らかとなった「障害に直結する股関節動作」時の股関節内応力分布を明らかとすることは意義深い。