MRIで脳に無症候性の病変(脳梗塞、脳出血、大脳白質病変等)を認める機会が増加しているが、これらの病変はその後の脳卒中や認知症発症の危険因子とされ重要である。しかしMRIを複数回撮像することによって地域一般住民における新規の脳血管病変の発症率を検討した報告は少ない。 福岡県久山町では、1961年から地域住民を対象とした疫学研究(久山町研究)が継続されている。本研究では2回の頭部MRI検査とその後の追跡調査のデータを用いて、MRI画像上の脳血管障害病変の変化(病変が新たに出現する発症率)とその危険因子、さらにこれらの病変が出現することによるその後の脳卒中や認知症の発症、死亡に与える影響を検討する。