熱帯・亜熱帯地域では,熱帯・亜熱帯地域では,魚介類による食中毒(シガテラ中毒)が多発しており,その中毒患者は年間数万人と言われている。シガテラ中毒の原因物質の一つとして海洋性プランクトンGambierdiscus toxicusから単離されたマイトトキシン(MTX)は,天然物の中で最大の分子量を有する梯子状ポリエーテルである。MTXは天然から超微量しか得られないため,MTXの作用機構および標的タンパク質の解明は進んでいない。そこで,申請者は,MTXの作用機構解明を目指し,MTXに匹敵する生物活性を有すると期待されるMTXの部分構造を合成し,その生物活性を評価することを計画した。