本研究では、ブーヘンヴァルト強制収容所の設立・運用を他の強制収容所との比較・関係の視座から解明するとともに、1945年以降、ソ連占領地域(SBZ)ドイツおよび東ドイツ(ドイツ民主共和国)において、ブーヘンヴァルト強制収容所の元囚人たちが「反ファシスト」としての「主体性」を構築していく過程に注目しながら、強制収容所の当事者がどのように東ドイツの歴史認識に影響を与えたのかを、西側占領地区ドイツないし西ドイツとの比較・関係の視座から明らかにする。