神経系の障害により発症する神経障害性疼痛には有効な治療法がないため、その克服に向けた疼痛の慢性化機序の解明が求められている。代表者は最近、神経障害性疼痛モデルマウスの脊髄において痛みの慢性化を抑止する細胞(CD11c陽性ミクログリア)を発見した。本研究では、同細胞の誘導・機能獲得・神経制御機構を解明し、さらに慢性疼痛との関連性をヒトで検証することで、神経障害性疼痛に対する生体レジリエンス機構を明らかにし、新たな診断・治療法の開発に向けた基盤の構築を目指す。