世界的な人口増加に伴う食料需要の拡大のため、畜産物の増産や生産効率の向上が社会から求められているが、世界中で家畜の繁殖性は年々低下している。子宮には常在細菌叢が存在し、消化管細菌叢との関連が示唆されている。また、子宮・卵巣の機能維持にはこれらの生殖器への局所血流が重要である。生殖器の細菌叢と炎症、生殖器の局所血流は密接に関連すると考えられ、この関係を理解することが産褥期の子宮・卵巣機能のさらなる改善の基礎的知見として重要である。本研究では雌ウシの周産期における消化管―生殖器における細菌叢の関連および、産褥期における子宮の細菌学的環境と子宮内の免疫反応、生殖器の血流の関連を解明する。