認知症ケアの場で、さまざまな芸術活動が行われるようになった。しかし、人によって目的や効果の理解が異なるため、資金提供者と実施現場 、文化関係者と福祉関係者の間などで齟齬が生じている。一方、文化政策における評価研究では、単純な数値評価に代わる、多様な価値を包含 する新しい評価方法の開発が始まっている。そこで本研究は、多元的フレームワークに関する学際的な理論検討、国内外の事例調査と分析、ア クション・リサーチを連携して進めることで、認知症ケアの場における創造的な芸術活動を支援する「多元的評価フレームワーク」(活動がも たらす多様な効果の可能性を構造的に示したリスト)の開発を目的とする。